「無精」と「苦手」

 とある方からメールが届く。ある意味「返事」なのですけれど、正直期待はしておりませんでした。本人自身が「メールが苦手」と公言しているからです。
 それでも伝えたいことがある、言いたいことがあるので私はメールという手段を使いました。ですから返事が来たときは大変驚き、喜び、そして申し訳なく思いました。メールの文章を見ても普段から書き慣れてはいない印象を強く受けたからです。
 多分、その方はこのメールを書くのに相当苦心されたのでしょう。もしかしたらそれこそ原稿一枚描く以上の生みの苦しみだったかも知れません。明らかに「無精」ではなく「苦手」……いずれ会う機会があれば出来るだけ言葉で仕えられればな、と思った秋の夜でした。