外から見た風景、中から見た風景

 先日mixiを話題にしたところ、私の思惑とは少々離れた形で話が進みましたので、そちらに乗ってみることにします。

雑誌「プレイボーイ」で

【確実に女の子と会える安心感の「知り合い系サイト」】

と紹介されたmixi。ここを読んでいる諸氏でそういった実感を持っている人がいるかどうかはさておき、多分一遍の真実は含んでいるものかと思われます。

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mixiから見たwebというのは強いて言うなら「外」になるのでしょう。とはいえmixiのシステム的に扱いにくいものをwebにある自分のサイトを利用してするなどして極めて自然に繋がっています。
mixiというSNS自体がwebの上に乗っかっているわけですから、これは当然かもしれません。

逆にwebからみたmixiはおそらく異質の存在でしょう。もはや死語の趣すらある「ハイパ−テキスト」の考えに従うならば中からはみえども、外からは見ることが出来ないのですから。

mixiというシステムで重要なのは自分のページ(領域)を誰が見たかが明らかである。という点でしょうか?こればっかりはリファラから推測するに留まるwebとは大きく異なります。また必ず個人個人は自分のページを持ち自己紹介があります。ゆえに相手の人となりを知るのは比較的容易でした(過去形)。

mixiでは「足あと」と呼ばれるそれによって、お互いにお互いの領域に足を踏み入れたことを知りえます。そこで相手の領域に足を踏み入れて相手の考えや人となりに触れてみるかどうかはその人の自由意志です。もっともmixiに参加する多くの理由はそういうふれあいを求めてでしょうから、少なくとも一度は相手の領域を訪ね、相手の日記などにレスをつける、といった事が頻繁に行われています。mixiに嵌る人が多いのはこのレスポンスのよさだと思います。書き込んで数分後には何かしらの反応がある、というのはすっかり希薄化した現在のwebではなかなか体験できないことです。近いものは『web拍手』かな?匿名性が強いので同一ではありませんが。逆にそれだけ個人が特定出来るが故に「アクセス拒否」という機能が存在したのでしょうけれど。

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では実際に中では何が行われているのでしょうか?答えは「変わらない」のです。webと同じように言葉が綴られているに過ぎません。全員が自らの名を名乗って意見を述べ、交換しているに過ぎません……この光景を見て遙か昔、草の根BBSと呼ばれたそれとなんら変わるところがありません。

個人的に今のmixiは有名だったBBSなどでは回線などの理由からなかなか会員数を増やせず外からその存在をうかがい知ることしか出来なかった状況とさして変わらない気がします。実際に入ってみたら中でやっていることは他の草の根と同じ会話であった、ってね。

結局のところ我々にはある一つのベースが存在します。それを端的に言えば「常識」でしょうか。これがある以上、そこから大きく逸脱したコミュニティというのはなかなか成立しないと思います。
だって関わっているのはwebに偏在する我々なのですから。ただ、それでもmixiという世界に期待出来たのはwebという『社会』によって作られていた距離感を埋める可能性があるのではないか?ということでした。この辺は……そうですね、私がmixiに参加したことによってますます

「世間って狭い」

ものになったということで察してください(苦笑)もっともこれもまた10年前にwebという世界に触れたときとなんら変わりないのですが。