紅茶王子

「ぐれさんと同じ名前のキャラが出てる紅茶の漫画があったよー(笑)」

なんて言われたのも遙か昔話になりますが(トオイメ

村瀬さんのレビューで『紅茶王子』が完結したのを遅ればせながら知りました。仕事?柄色々と縁のある人間がちょこっと……或いはおおっぴらに登場していて時に腹を抱えましたが、最近はすっかりお茶からは離れた展開だったようですね。

実際この漫画の影響は大きく、お茶仲間でも少なからず話題になることがありました。色々と言われるところもありますが多くの方に紅茶への道しるべとなったことは素直に感謝したいな、と。

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ということ?で、あるものを発掘。

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「喫茶店のお茶も求めるものが大きく異なる場合があるんですよ。喫茶店のお茶というのはある意味『完成品』であるべき、という考え方があります。この場合の『完成品』は一杯を飲み干したらそれで満足してしまうもの……『これ以外に必要ない』と思わせるものです。」

「でも、私の淹れる紅茶はどこか『隙』のある紅茶でありたい、と考えています。『隙』があるからもう一杯飲みたくなるし、『隙』があるから他に何か必要になる……それはスイートかもしれないし、会話かも知れない。」

「どんなに『素晴らしいお茶ですね』と言われても、難しい顔で飲まれたくないんですよ。もっと気軽に気楽に……そんな楽しみ方をしていただいた方が、余程私にとって嬉しいことなんです。」

「その為ならば、『紅茶通』が苦虫を潰すようなことも躊躇いません。もちろん紅茶を殺すわけではなく、もっと伸びやかに活かしたいからです。」

「ですから『正統』にこだわりはありません、というより何が正統か判らないというのが本音ですね。よく『ゴールデンルール』と呼ばれるものはあるけれども、それだって絶対不変ではないのですから……飲む人が『美味しい』と思えるなら、それが一番だと。」

「分かっていられると思いますが『ゴールデンルール』を否定するわけではないのです。実際則って淹れたお茶は確かに美味しい、と思いますから。でも、それに拘りすぎると凄く窮屈になってしまう気がするのです。」

「『格式なんていーんですよ、おいしければー』と言うある紅茶飲みがいらっしゃいます。そこまではっきりと言いきれる人って意外と少ないのではないでしょうか?紅茶の専門家でも窮屈な考えに終始していることが少なからずあります。もっとお茶は自由なものではないでしょうか。嗜好品なのですから楽しんで欲しいですね。そのためには拘りもエッセンスの一つ、位に思う位でいいのではないでしょうか。」

「その人にとっての『時間』を大切にしていただきたいと思います。お茶の時間、というのは大切さを再確認する一時だと思いますから。勿論その時の茶が美味しければ最高だと思います。」

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3年経った今もこの思いは変わりません。改めて素敵な出会いを産み出してくれた『紅茶王子』に感謝いたします。