うまい嘘

 「現実」を追求すると、むしろ「非現実的」な世界に行き着いてしまうのではないか、と思ったりする今日この頃。進化というのは既存から少し「はみ出した」結果、それが受け入れられた場合……だとすると創作なんて多かれ少なかれ、次の「はみ出し」なんだろうなぁ、と。*1
 創作の世界において、現実的なものは普通に受け入れられます。「現実的」なのですから当然ですよね。次に受け入れられやすいのが「非現実的」なこと、その度合いが高ければ高いほど「有り得ない」からこそ受け入れられる、別世界の話と認識するために許容される面があります。
 むしろその中間「ちょっとだけ嘘」こそが難しい。現実に近いからこその拒否反応、ときにはある種の嫌悪さえ含めた形でそれが示される場合もあります。それを和らげる、或いは受け入れさせるための技が「うまい嘘」ではないかと。
 その辺の許容範囲は人それぞれなので一概には言えませんが、広く万人が納得出来る「うまい嘘」をつける人こそが次の世界を引っ張るのだ、と思ったり思わなかったり。

*1:ま、その大多数はバージェス動物群の様に世界に受け入れられず、残らないものとなってしまいがちなのですが。