野暮

 では「へたな嘘」もあるわけで、それは二種類あると思うのです。一つは知識不足からの嘘で要するに間違い。もう一つは納得させられなかった嘘。
 後者は時に幾つかある説の中でもマイナーなものを採用することで発生するときもあるのですが、それも含めて確信犯だとすれば、そこを受け手が指摘することで悦に入るのは野暮の極みだと思うのですが、困ったことに得てして指摘してしまいたくなるものでして……
 創り手としては更にうまい嘘をつけるように努力を、受け手としてはもっと大らかに楽しめた方が幸せだ、と自戒の意味合いも込めて思うのでした。